短距離走・リレー
リレー
リレー 参考文献:楽しい体育の学習「明治図書」
日本の100m走の最高記録はおよそ10秒ですが、4人が100mずつ走る4×100mの記録は、38秒となり、100m走の4倍よりも2秒近く速いことになります。このことは、バトンを渡す時の利得距離と、リードをしてスピードにのった状態でスタートできることが理由として挙げられます。リレーの面白さは、なめらかなバトンパスができると、記録がどんどんよくなっていくことにあります。
調子よく滑らかに動くことができること
・テークオーバーゾーン内で走りながらバトンパスをすること
・コーナーの内側に軽く体を傾けて走ることができること
一人一人がこの2つのことができると、チームの記録がよくなります。
バトンパスの行い方
・バトンの受け手は、渡し手の声の合図で手のひらを上に向け、肩の高さまで上げて構えます。
・渡し手はバトンの端を持って走り、渡す時に声で合図し、もう一方の端を受け手の手に押し込むように渡します。
・受け取ったバトンを持ち替える方法と持ち替えない方法がありますが、小学校では、持ち替えてどの子も渡す手、受け取る手が同じになる方がみんなで同一歩調でバトンパスがうまくなっていきます。
・バトンを持つ手に決まりはありませんが、右手から右手、左手から左手へのバトンパスは、受け手と渡し手が前後に並ぶので、接触の可能性があり危険です。そのため、統一して右手で受け取り、持ち替えて、左手で渡すことを本校では指導しています。
・バトンを受け取る時は、初めは受け手が手を横に出すとよいです。受け手にとって無理のない姿勢なので、腕があまり動かず、バトンを渡しやすくなるからです。
慣れてきたら、少しずつ手を後ろに伸ばしていきます。こうすることで、利得距離(渡し手と受け手が手を伸ばした分、走らなくてすむ距離のこと)が得られます。
・受け手がバトンを探して腕を動かさないこと、腕を伸ばしながら全力で走り、スピードを落とさないことが必要です。
駆け出すタイミング
・受け手がどの目印(駆け出しライン)で駆け出すか決めて試走し、調整することを繰り返すことでタイミングがつかめてきます。
・うまくスタートができない場合は、渡し手やチームの仲間が「GO!」と声を掛けるといいです。
・目印にテークオーバーゾーンの手前3、4、5mにラインを引いたり、ペットボトルやコーンを置いたりします。
(練習方法)
〇個人の動きを高める運動
・受け手になって腕を伸ばしながら全力で走る
・トントンジャンプ
体を1本の棒のように真っ直ぐすることを意識しながら軽く弾むことで、正しい姿勢や力を抜いて弾む感覚をつかめます。
・倒れ込みスタート
気を付けの姿勢から体を真っ直ぐにしたまま倒れ込み、自然に足が一歩出た時にスタートします。体を真っ直ぐにし、前傾姿勢を保ちながら走り出す感覚をつかみます。3mほど先を見ながら走るようにするとよいです。
・直線鬼ごっこ
ペアで行い、逃げる子は鬼の1~3歩ほど前から走り始めます。スタートの合図で10~15ⅿ先のゴールを目指して逃げたり追いかけたりします。鬼は左手で逃げる人の右肩にタッチします。強く押して相手を倒すことがないようにしましょう。スタートの合図に素早く反応して動く力を付けることができます。
・ねずみとねこ
直線鬼ごっこの応用です。ペアで向かい合って立ちます(1~2m)。一方を「ねずみ」、もう一方を「ねこ」とします。「ね、ね、ね、ねこ」などと先生が声を掛け、言われた方が追いかけます。
応用編として、言われた方が逃げる役になったり、じゃんけんを取り入れたりするものもあります。
〇バトンパスの動きを高める運動
・その場で立った状態でバトンパスを行う
・ジョギングをしながらバトンパスを行う
・並走バトンパス
2人組がバトンパスを行う横で、1人が並走します。並走する第3者に負けないように全力でバトンパスをすることを目指しましょう。
〇折り返しリレー
・コースは直線。チームの人数は、4~6人。
・スタート後、コーンを回って折り返してくる。リングバトンを使用する。
・次の段階として、次走者の後ろにもコーンを置き、そのコーンを回ってから次走者にバトンを渡します。
バトンは、普通のバトンを使用します。
〇サークルリレー
常にコーナーを走ることで、内側に体を傾けて走ることをねったリレー
(2チーム対抗)
・半周ずれて走るため、相手チームとの接触の心配がない。
・向かい合う2チームが同時にスタートし、1人1周走る。
・相手チームのテークオーバーゾーンの近くでは、外側を走る。
・走り終わったら円の中に入る。
(4チーム対抗)
・それぞれのラインから一斉にスタートする。
・アンカーは、リングバトンをコート中央のコーンにかぶせる。
かぶされたリングバトンの順位がリレーの着順となる。
〇パシュート型リレー
・トラックの準備が簡単なオープンコースと、チームごとにレーンが設定されていて接触の危険性
がないセパレートリレーのメリットの両方を合わせたもの。
・パシュートは、「チームパシュート」といい、自転車競技やスピードスケートで行われる競技形態。
・2チームで対面する形でスタートし、決められた距離を先に完走した時点でのタイムを競う。
・一人が走る距離は半周。スタート、ゴール位置はチームで異なる。
〇スリーコースリレー
・3つの異なる距離のコースから、自分の走るコースを選択できるようにしたリレー
・各チームで、A、B、Cのどのコースを走るかを決める。
・各コース2名ずつなど、合計距離が等しくなるように決めておく。
・一人半周ずつ走る。安全を考慮し、A→B→Cのように、コースの順を決めておく。
走り幅跳び
走り幅跳びは、前方向に進んでいた体をふみきり板で上方向に切りかえるのですが、記録を大きく左右するのが助走のスピードです。オリンピックなどでは助走距離が長いのですが、小学生は長く助走をすると、それだけふみきりをぴたりと合わせるのが難しくなるので、3歩、5歩、7歩ぐらいまでにするとよいです。 (参考文献:明治図書「楽しい体育の学習」)
リズミカルでスピードのある助走
・助走し始めは、ふみ切り足(利き足)を後ろに引きます。
つまり、1歩目が利き足となり、3歩助走、5歩助走、7歩助走と全て利き足でふみ切ることになります。
・かけ声や手拍子でリズムを確認するといいです。
3歩助走…「イチ、ニイ、サン!」
5歩助走…「12・イチ、ニイ、サン!」
7歩助走…「1234・イチ、ニイ、サン!」
・短い助走で、トップスピードでふみ切ることを目標に取り組みましょう。
力強い片足ふみ切り
・歩はばは、加速すると同時に広がっていきますが、最後の一歩は気持ちせまくするようにしましょう。
・スピードに負けないために、ふみ切り足は、かかとからぼうのように伸ばして着き、足のうら全体で力強くふみ切りましょう。
・ボールを遠くに投げるためには、角度(高さ)が必要なように、上体を起こして上方に高くとび上がるようにしましょう。
(練習方法) 1m程先にゴムひもをはり、高さを変えながら、タッチする(高い)、とびこす(低い)。
ひざを引き上げた空中姿勢
・足のうら全体でふみ切るのと同時に、ふりあげ足のひざを曲げて前につき出すようにして上体を起こします。
体をななめ上方へ高く持ち上げるイメージです。
・「そり跳び」の場合は、両手を引き上げ、上体をそった形にしますが…
・「かがみとび」は平がなの「ん」の字になるイメージです。
ひざをやわらかく使った着地
・両足をそろえて着地しましょう。
・ひざを深く曲げてやわらかく着地します。
・顔をしっかり起こしておきましょう。深く曲げたひざに自分の顔をぶつけるのを防ぐことになります。
・両足のうらを正面に見せるようにしましょう。
片足ふみきり→両足着地を身に付けるための遊び
(1)折り返し運動(大股・ケンケン・両足とびで連続・ケングー)
(2)どこまでジャンプ
(3)どこまでグリコ
(4)グリコじゃんけん
(5)川跳び
8秒間走
短距離走の練習の一つに、( )秒間走があります。
自分が選んだ位置からスタートし、決められた秒数以内にゴールまで行けるかどうかを競うものです。
髙学年は8秒、中学年は9秒、低学年は10秒など設定を変えます。
最高得点は20点です。
昨年度、地域の皆様からいただいた賛助金で購入させていただいた「スポーツタイマー」を利用しています。
8秒にセットすると、くり返しブザーがなります。
これにより子供たちは、スタートを切るだけでなく、自分が8秒以内にゴールにつけたかどうかを判断することができます。
また、教師が合図を出す必要が無いので、走り方などをアドバイスする声をかけることができます。
「スポーツタイマー」により、子供たちの体力を伸ばす豊かな学びができています。
かけっこ
出典元:HugKum(はぐくむ)小学館 他
速く走るポイントは「腕ふり」「もも上げ」「大また」
うでをしっかりふり、ももを引き上げ、大きな歩はばで、よそ見せずに走りきる。
それが自然にできるようになれば、タイムはどんどん縮まる。
ただし、体がかたいと上達しづらいので、準備運動も忘れずに行うことがポイント!
スタート前の準備運動も大事!ニャンコ体操で、背中をやわらかく!
四つんばいになって、あごを少し上げて背中をそらせよう。背中に水をためるような気持ちでね。
そのあと、おなかをのぞきこむようにしながら背中を丸くしよう。
準備運動
1 「よーい」でかまえる
「よーい」のかけ声で、前足に体重をかけて、体を前にかたむけよう。
前にたおれそうなくらいかたむけて、目線は数メートル先を見てね。
①スタンディングスタート
初めは「位置について」の合図で両足のつま先をスタートラインに合わせて気をつけの姿勢をした時に、スタートラインを踏まないように注意をしましょう!
次に「よーい」の合図でどちらか引きやすい方の足を後ろに引いてください。
前に足を出して線を越えて構えないように、必ず後ろに足を引き、最後に「どんっ」の合図で出遅れないようにスタートします!スタートする前に線を踏んだり、線を越えるとフライングとなります。
<利き足を調べる方法>
1.力を抜いて立つ
2.前に倒れるように重心を前に持っていく
3.倒れる前に片足を出して倒れないようにする
4.この時に出した足が利き足です 利き足は、走るときの後ろに持っていく足になります。
②「位置について」「よーい」の合図で構えた際に、同じ手と足が前に出ているとスタートは出遅れやすくなります。これは、「どんっ」の合図で手を反対に変えてからスタートをするので、ワンテンポ遅れてスタートしてしまうことになるからです。手と足を反対にすることで、少し前に体重がかかります。前足に体重をかけるために前足の膝を曲げ、後ろ足はカカトを上げて構えることができると、後ろに体重がかかって出遅れてしまうことを防ぐことができ、前足で地面を後ろに押し出すことができます。
練習方法
★スタートの仕方を色々なバリエーションで行ってみましょう。スタートの反応速度を鍛えられます。
例えば、後ろ向き・うつ伏せ・仰向け・体育座りなどなど。
★狭い範囲で鬼ごっこ
鬼ごっこは通常複数人で行うものですが、1対1でも構いません。
線で四角を書いたり、コーンを置いたりして範囲を決めましょう。
あえて範囲を限定する理由は、敏捷性を高めるためです。
★なわとび
かけっこは下半身の筋力が重要です。
下半身の筋力を利用して地面を力強く蹴ることで爆発的なスタートダッシュが生まれます。
2 「ドン!」でスタート
「ドン!」の合図で、後足のつま先で地面をけろう。
後ろの腕は大きく引き、前の腕は軽くにぎったこぶしを目の高さまでふり上げてね。
腕をふる 腕を大きくふると歩はばも広がるよ
腕は、ひじを90度くらいに曲げて、大きく前後にふろう。
腕だけでなく、体の中心から動かすように意識してね。
練習方法
★腕ふり力アップ練習
背中をのばして「1、2、1、2……」と声がけしながら、左右のひじを交互に後ろに引こう。
大人にひじをもってもらい、大きくふるイメージをつけるといいよ。
指先は軽くのばしておこう。肩の力がぬけて、体の中心から大きく動かす練習になるよ。
★うでをふる大切さを体感するために、色々な姿勢で走ってみましょう。
例えば、うでを体の横につけて気を付けの姿勢・むねの前で組む姿勢・バンザイの
姿勢・飛行機の姿勢・両方のうでをプロペラのように回す姿勢など。
★体のバランスをとりながら、走ってみましょう。
例えば、かた足ケンケン・後ろ向き・スキップ・後ろ向きスキップ・しゃがみ走りなど
後ろ向きで走る時は、転んで頭をぶつけないように、スピードはゆっくりね。
3 ももを引き上げる
地面をけった後ろの足を前に勢いよく引き上げ、ももを胸に近づけよう。このとき背中が丸くならないように、背筋をのばしておくのも大切だよ。
ももを引き上げる
おへそから引き上げるつもりで
背中をのばし、おへそのあたりから大きく足を動かすつもりで、ももをしっかり引き上げよう。
練習方法
★もも上げ力アップ練習
指をのばして手のひらをかべにあて、片方ずつももを上げよう。背中をのばしておなかに力を入いれ、おへそから動かす感じだよ。
4 大またで走る!
引き上げた足をなるべく大きく前にのばして地面を押し、つま先で地面をひっかくようにふみけろう。けった足は、そのまま強く後ろにふり上あげて。
大また
歩はばを大きく広げよう
地面をけった後足を前に出し、できるだけ遠くにつま先をつけよう。ゴールまで何歩で走れるか数えてみてね。
練習方法
★大また力アップ練習
片足ずつ後ろに曲げながらジャンプ。
背筋をのばし、かかとがおしりにつくくらいに頑張ろう。
手で足の位置をチェックしてね。