2021年5月の記事一覧
リレー
リレー 参考文献:楽しい体育の学習「明治図書」
日本の100m走の最高記録はおよそ10秒ですが、4人が100mずつ走る4×100mの記録は、38秒となり、100m走の4倍よりも2秒近く速いことになります。このことは、バトンを渡す時の利得距離と、リードをしてスピードにのった状態でスタートできることが理由として挙げられます。リレーの面白さは、なめらかなバトンパスができると、記録がどんどんよくなっていくことにあります。
調子よく滑らかに動くことができること
・テークオーバーゾーン内で走りながらバトンパスをすること
・コーナーの内側に軽く体を傾けて走ることができること
一人一人がこの2つのことができると、チームの記録がよくなります。
バトンパスの行い方
・バトンの受け手は、渡し手の声の合図で手のひらを上に向け、肩の高さまで上げて構えます。
・渡し手はバトンの端を持って走り、渡す時に声で合図し、もう一方の端を受け手の手に押し込むように渡します。
・受け取ったバトンを持ち替える方法と持ち替えない方法がありますが、小学校では、持ち替えてどの子も渡す手、受け取る手が同じになる方がみんなで同一歩調でバトンパスがうまくなっていきます。
・バトンを持つ手に決まりはありませんが、右手から右手、左手から左手へのバトンパスは、受け手と渡し手が前後に並ぶので、接触の可能性があり危険です。そのため、統一して右手で受け取り、持ち替えて、左手で渡すことを本校では指導しています。
・バトンを受け取る時は、初めは受け手が手を横に出すとよいです。受け手にとって無理のない姿勢なので、腕があまり動かず、バトンを渡しやすくなるからです。
慣れてきたら、少しずつ手を後ろに伸ばしていきます。こうすることで、利得距離(渡し手と受け手が手を伸ばした分、走らなくてすむ距離のこと)が得られます。
・受け手がバトンを探して腕を動かさないこと、腕を伸ばしながら全力で走り、スピードを落とさないことが必要です。
駆け出すタイミング
・受け手がどの目印(駆け出しライン)で駆け出すか決めて試走し、調整することを繰り返すことでタイミングがつかめてきます。
・うまくスタートができない場合は、渡し手やチームの仲間が「GO!」と声を掛けるといいです。
・目印にテークオーバーゾーンの手前3、4、5mにラインを引いたり、ペットボトルやコーンを置いたりします。
(練習方法)
〇個人の動きを高める運動
・受け手になって腕を伸ばしながら全力で走る
・トントンジャンプ
体を1本の棒のように真っ直ぐすることを意識しながら軽く弾むことで、正しい姿勢や力を抜いて弾む感覚をつかめます。
・倒れ込みスタート
気を付けの姿勢から体を真っ直ぐにしたまま倒れ込み、自然に足が一歩出た時にスタートします。体を真っ直ぐにし、前傾姿勢を保ちながら走り出す感覚をつかみます。3mほど先を見ながら走るようにするとよいです。
・直線鬼ごっこ
ペアで行い、逃げる子は鬼の1~3歩ほど前から走り始めます。スタートの合図で10~15ⅿ先のゴールを目指して逃げたり追いかけたりします。鬼は左手で逃げる人の右肩にタッチします。強く押して相手を倒すことがないようにしましょう。スタートの合図に素早く反応して動く力を付けることができます。
・ねずみとねこ
直線鬼ごっこの応用です。ペアで向かい合って立ちます(1~2m)。一方を「ねずみ」、もう一方を「ねこ」とします。「ね、ね、ね、ねこ」などと先生が声を掛け、言われた方が追いかけます。
応用編として、言われた方が逃げる役になったり、じゃんけんを取り入れたりするものもあります。
〇バトンパスの動きを高める運動
・その場で立った状態でバトンパスを行う
・ジョギングをしながらバトンパスを行う
・並走バトンパス
2人組がバトンパスを行う横で、1人が並走します。並走する第3者に負けないように全力でバトンパスをすることを目指しましょう。
〇折り返しリレー
・コースは直線。チームの人数は、4~6人。
・スタート後、コーンを回って折り返してくる。リングバトンを使用する。
・次の段階として、次走者の後ろにもコーンを置き、そのコーンを回ってから次走者にバトンを渡します。
バトンは、普通のバトンを使用します。
〇サークルリレー
常にコーナーを走ることで、内側に体を傾けて走ることをねったリレー
(2チーム対抗)
・半周ずれて走るため、相手チームとの接触の心配がない。
・向かい合う2チームが同時にスタートし、1人1周走る。
・相手チームのテークオーバーゾーンの近くでは、外側を走る。
・走り終わったら円の中に入る。
(4チーム対抗)
・それぞれのラインから一斉にスタートする。
・アンカーは、リングバトンをコート中央のコーンにかぶせる。
かぶされたリングバトンの順位がリレーの着順となる。
〇パシュート型リレー
・トラックの準備が簡単なオープンコースと、チームごとにレーンが設定されていて接触の危険性
がないセパレートリレーのメリットの両方を合わせたもの。
・パシュートは、「チームパシュート」といい、自転車競技やスピードスケートで行われる競技形態。
・2チームで対面する形でスタートし、決められた距離を先に完走した時点でのタイムを競う。
・一人が走る距離は半周。スタート、ゴール位置はチームで異なる。
〇スリーコースリレー
・3つの異なる距離のコースから、自分の走るコースを選択できるようにしたリレー
・各チームで、A、B、Cのどのコースを走るかを決める。
・各コース2名ずつなど、合計距離が等しくなるように決めておく。
・一人半周ずつ走る。安全を考慮し、A→B→Cのように、コースの順を決めておく。